みなさんは、幸せとは何だと思いますか。私は、今までずっと幸
せってなんだろうと思っていました。小学校の時の私の持ち物は、
兄のおさがりばかりでした。新しいものを買っているみんながうら
やましくてしかたがありませんでした。そんな時、親にプールセッ
トを買ってもらいました。おさがりでない初めての新品でした。私
は、とてもうれしかったのを覚えています。その時、幸せだなあと
感じていたのだと思います。他にも四葉のクローバーを見つけた時
は、幸せになれるとずっと思っていました。また、それまでの私は
「幸せ」とは宝くじで高額当選したり、おいしいものを食べたりす
る事だと思っていました。
でも、中学校に入学してから、私の考えは大きく変わりました。
私の「幸せ」だと思ってきた事は、「幸せすぎる」ことだと実感し
たのです。なぜなら、戦争・原爆について学び、今あるあたり前の
生活こそが「幸せ」そのものだとわかったからです。
中学三年生になった時、私は改めて原子爆弾のおそろしさを学び
ました。急に、戦争の頃の人々の暮らしについて興味をもつように
なりました。戦争について、インターネットなどで調べてみると、
私が予想していた以上の事実を知りました。写真などがあると、お
そろしくて見ることができず、思わず目をそむけてしまい、その日
のうちに見ることはできませんでした。しかし、戦争の事実を名に
も知らないまま生きていていいのかと心の中で思い、何日か後にそ
の写真を見ることにしたのです。そこには、お腹をすかせている子
供達が写真に向かって何かをうったえているように見えました。見
た瞬間、私は思いました。この写真の人々は、少しでも幸せを味わ
うことができたのだろうかと。
中学校の総合学習で戦争と平和について学び、修学旅行で長崎に
も行きました。原爆資料館で焼けた布きれやお金など、当時の戦争
中の傷跡と呼べるものがありました。そこには、原爆の全てがつめ
こまれているように感じました。まさに、戦争の真実が残されてい
たのです。戦争によって多くの命が奪われてしまいました。大切な
家族を多くの人が失いました。そこには、絶望しかなかったのです。
この現実を知り、私の考えは変わりました。幸せということの本当
の意味を考えるようになりました。自分のほしいものが手に入り、
自分の夢が叶うことも幸せですが、本当の幸せは自分の身近なとこ
ろにあることに気付いたのです。ご飯をきちんと食べられること、
家族と楽しく生活することなど、今、あたり前だと思っていること
が幸せであると分かりました。
私は今もよく兄とケンカをします。家族なんていらないと思うこ
ともあります。しかし、この経験を通して家族の大切さを感じるよ
うになりました。私にとって家族はなくてはならない存在です。戦
争の時のように、いつ家族はいなくなるかわかりません。もしかす
ると明日かもしれません。だったら、家族はもちろん、自分を支え
てくれる人をもっと大切にしようと思います。
みなさんにとって幸せとは何ですか。私にとって幸せとは、友達
がいて家族がいて、毎日を平和に暮らすことです。
今ある、この幸せを大切にしていきたいと思います。そして、こ
の幸せであることに感謝の気持ちを持ち続け、一日一日を精一杯生
きていこうと思います 。
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