小さな後悔から学んだこと　　　倉敷市立東陽中学校　岡﨑翔太郎さん

　What do you think about
　　　　　　　　Japanese communicative competence?

　あなたは日本人のコミュニケーション能力についてどう思います
か？先日、僕はこんな経験をしました。それは、所属している東陽
中学校英語部が英語祭に参加した時の事です。

　会場には、全部で十校ほど参加していたので、百人ほどいたよう
に思います。その中で外国人の英語の先生がしてくださるゲームや
クイズに心の底から楽しそうに参加しているのは、全体の一割ほど
でした。あとの九割の人は、恥ずかしがっているのでしょう。参加
していなかったり、適当に流しているように見えたのです。僕がそ
ういった態度をしたわけではありませんでしたが、残念な気持ちに
なりました。今回の英語祭に限ってのことではありませんが、学校
の授業でも、そういった人が目につきます。僕も英語の先生に対し
て、あまりのハイテンションについていけないなということは、正
直あります。ですが、聞いて理解しようとすることなど、できる限
りのことは、しているつもりです。話そうと思うから失敗したくな
い気持ちが先にたち、間違うことを恐れるあまり、だまってしまう。
今の多くの日本人がそういう傾向にあると思います。誰でも嫌なこ
と、面倒なこと、したくないことは、避けて通りたいのが本音だと
思います。それと同時に、不得手な部分にはふれてほしくない傾向
もあるように思うのです。これでは、日本人が英語の勉強ができて
も、英語のコミュニケーション能力が乏しいと言われても仕方あり
ません。外国人と会話するときに、単語をいくつか並べて言うだけ
でも、少しは通じると思います。実際外国の人達がたどたどしい日
本語を話したとしても決して笑いませんし、むしろ耳を傾けて、相
手の言っている言葉を理解したいと思うのではないでしょうか。相
手が求めていること。それは、完璧な英語ではなく、人と人との気
持ちが通じ合うことだと僕は思います。

　今から二年前、小学六年生のときにあった、小さな後悔が今も頭
の片隅に残っています。小学六年生の夏休み、倉敷市の訪中団の一
員として、中国にホームステイをしに行きました。ホームステイ先
の家族の人に、日本からのお土産をあげようと、持っていった中国
語辞典で調べましたが、適当な言葉が見つかりません。仕方なく、
日本語で「どうぞ。」と言ったように思います。そうしたら、相手
の人が、「Presents?」と言ってきたのです。そうか、英語もあり
なんだ！何故英語という発想が自分になかったのだろう。当時でも、
片言の英語ぐらいは言えたはずなのに。結局、中国語で伝えたいと
いう思いが強すぎて、大事な気持ちの部分を忘れていました。もち
ろん相手の国の言葉を尊重しようとする気持ちも大切だと思うし、
当時小学生だった僕は、訪中団の中で緊張しながらも精一杯頑張っ
たと思っています。人から見れば、小さな出来事かもしれませんが、
あの時の体験があったからこそ、「英語」に関心を持つことができ
ました。また、世界の共通語として、英語を意識するよいきっかけ
になり勉強をさせてもらったように思えます。

　先日、若田宇宙飛行士が国際宇宙ステーションへ飛びました。
「船長として『和の心』をモットーとしてチームをまとめる。」と
報道されていましたが、何故若田さんが日本人初の船長になれたの
か。それは、若田さんのコミュニケーション能力が高かったからだ
と思います。もちろん、毛利さんを始め、先輩宇宙飛行士が築き上
げてきた、日本人に対する信頼感というものも大きいと思います。
若田さんは、外国の人の長所である、自分の意見をはっきりと主張
し、納得のいくまで議論するところと、日本人の「和の心」を上手
く使ってチームをまとめているのだと思います。若田さんも最初は
英語に苦労したそうですが、今ではコミュニケーション能力と英語
力を身につけ、外国人宇宙飛行士と対等な立場で活動しています。
僕のコミュニケーション能力と英語力はまだまだですが、若田さん
のように、上手にチームをまとめられる人になりたいです。

　間違うことを恥として恐れるよりも、気持ちを大事にして、全力
でコミュニケーション能力を高めていきたいと思います。日本人と
して、日本の文化を認め、大切にしながらも英語という世界に飛び
こんでみたい。そして英語の先生のハイテンションに負けないくら
いの英語力を身につけ、将来の仕事の武器になるように、チャレン
ジしていきます。

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