両親について　　　　倉敷市立新田中学校　石井歩乃佳さん

　皆さんは、今、自分の両親にどのような思いを抱いていますか。
私にとって、両親とは誰よりも一番の良き理解者であり、大切な存
在です。これは、あくまでも私の個人の思いであって、皆さんそれ
ぞれ自分の両親に抱いている思いは、異なっていると思います。今
まで私は、それほど自分の両親について真剣に考えることは、正直
ありませんでした。こうして考え始めたのも、あるきっかけがあっ
てからのことです。そのきっかけとは、日常生活の中で多分皆さん
も経験されている何気無いことでした。先日私は、母親と口げんか
をしてしまったのです。皆さんは、親とけんかをしたことがありま
すか。たいていは「ある」と答える人が多いのではないでしょうか。
その時、皆さんは親に対してどのような感情を持ち、行動をとりま
したか。カッとなって「うっとうしいな」とか「腹が立つな」とい
うような感情を持った人もいるでしょうし、行動面では、物に当た
ったり親の言うことを無視したりした人もいるでしょう。私は中学
生になってから、親とけんかをしても意地を張るばかりで、謝るこ
とが簡単にできなくなってしまいました。心の中で、思っているこ
とが口に出せない、それどころか全く逆に傷つける言葉ばかり言っ
てしまう…自分でもなぜそのように行動してしまうのか解りません
でした。しかしよく考えてみてください。このような親とのけんか
の原因は、おそらく親ではなく自分の方にあると思いませんか。中
学生である私達は、勉強、部活、友達、自分の将来のことなど人そ
れぞれあらゆる悩みを誰もが抱えています。私は、このような悩み
のせいで親に当たってしまって、けんかになったという経験をした
ことが何度かあります。後で冷静になって考えると、自分の身勝手
な行動を反省してしまいます。ですから、もしもまた親とけんかを
してしまった時には、素直に謝ることが何よりも大切だと思いまし
た。最近友達と話していると、自分の親と一緒に居たり、話したり
する事が嫌に感じている人が少なくない事に気付きます。思春期だ
から仕方ないという考え方もあるでしょう。でももしある日突然、
親がいなくなってしまったら、私達が当たり前と思って過ごしてい
る生活環境は一変します。生きるための食料を買うためのお金だっ
て、中学生の私達に稼ぐことは出来ません。洗濯や掃除などの家事
をするのも全て自分です。そう考えると毎日の生活の中で、親が私
達我が子のためにどれほど一生懸命頑張ってくれているか分かるで
しょう。自分を犠牲にしてでも、私達の幸せのために努力してくれ
ている事を忘れてはいけません。また皆さんは、自分の悩み事をど
のようにして解決していますか。これも人によって異なると思いま
すが、誰かに相談するという解決の仕方が最も多いのではないでし
ょうか。例えば、相談する相手が親であるとします。親は、自分よ
り多くの年を生きていて、色々な「経験」をたくさんしています。
私の母は、私が相談する時に毎回毎回うなずくばかりでなく、見方
を変えて違った意見を言う時があります。こんな時、私は両親に相
談する時と友達など両親以外の人に相談する時との違いを実感しま
す。例えば、友達だと相手を傷つけないように自分が思っているこ
とを言えない時があります。しかし両親は、はっきりと「やるべき
事」「よりよい方法」を話してくれます。

　これらを通して、私は両親に感謝し、そのかけがえのない存在に
気付かされます。私達が今こうして、生きていられるのは、いつも
私達のことを支えてくれ、気にかけてくれている両親がいたからな
のです。そして、産まれてから今までずっと愛され続けてきたから
なのです。もう一度、よく考えてみてください。そうすると両親へ
抱く思いが今までとは違った思いに変わってくるかもしれません。

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