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倉敷東ライオンズクラブは岡山県倉敷市東部地域を中心に活動する奉仕団体です。

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神様からの試練          倉敷市立多津美中学校 千田 綾香 さん


 私は今、十四歳です。十四歳になるまでの人生は、楽しかったこ
とだけではありませんでした。つらいこともあれば嬉しいこと、悲
しいこともありました。でも、こうして人生をここまで生きてこら
れているということにはとても感謝しないといけないことです。

 私たちは普段、何気ない毎日を送っています。いつものように学
校へ行き、勉強をして、部活をして、と当たり前の日々を過ごして
います。でも、私たちがこのように当たり前の日々を過ごしている
間に、世界では何人の人が命を亡くしているのでしょうか。私はそ
んなことを深く考えたことは一度もありませんでした。あの日が来
るまでは。

 私のおじいちゃんは、見た目は怖そうだったけど、本当は優しく
て私たちの面倒をよくみてくれました。大好きなおじいちゃんでし
た。でも、小学校へ上がった頃からあまり一緒にいる時間がなくな
っていき、中学生になるとほとんど関わる時間がなくなっていきま
した。そんなある日、私がベッドで寝ていると、母に突然起こされ
ました。何かあったようで聞いてみると、おじいちゃんが急に亡く
なったということでした。その言葉を聞いたとき、頭の中は真っ白
で、何も考えられなくて、ただ「なんで?どうして?」という言葉
だけが頭の中を回っていました。まさか、今日のこの瞬間に亡くな
るなんて・・・悲しいというよりビックリし、涙一つ出ませんでし
た。翌日、お葬式の日に、亡くなったおじいちゃんの顔を初めて見
ました。その時は涙が止まりませんでした。顔は白く、冷たそうな
肌をしていました。でも、不思議なことにおじいちゃんの顔を見て
いると、何かみんなに伝えたいように見えたのです。「みんな、生
きている今を楽しむんだぞ。後悔しないように一日一日を大切に過
ごすんだぞ。」と、そうみんなに呼びかけているようでした。その
日をきっかけに、私は一日一日を大切に過ごそう、もし、何か嫌な
ことや苦しいことがあったとしても、人生いろいろなことがあった
からこそここまで生きてこられたんだ、今を生きていることに感謝
しなければという前向きな気持ちに慣れたのです。

 今まで生きてきた中で、人生にどんなことがあったのかなど振り
返って考えた日などありませんでした。様々な思い出があります。
この十四年間、なぜ一分一秒を大切に生きようと思わなかったのか
と不思議になってしかたがありません。この地球に住んでいる世界
の人々の誰かが今日この瞬間にも亡くなっているのかと思うと、本
当に悲しくなります。

 現在の日本の人口は、一億二千六百九十七万人です。これは、前
年度に比べて二十二万人も減少しているのだそうです。増加してい
ると思っていたのに、減少しているのです。私は、最初この数字を
見たとき、目を疑いました。このように人口が減っている理由は様
々です。病気や事故だけでなく、殺人事件、自殺などたくさんあり
ます。栄養失調で亡くなる人もいます。その現実を目にすると私は
なんて恵まれているのだろうと感じます。でも、今幸せだからとい
って油断はできません。私たちの人生はまだまだこれからです。将
来に何が起こるか分かりません。だからこそ、一日一日を大切に生
きなければいけないのです。

 私たちには生まれたら必ずいつか死んでいくという試練を神様が
与えてくれました。まるで私たちを試しているようにさえ思えます。
ならば、その一分一秒を無駄にせず、一日一日を価値ある大切な時
間として過ごすべきでしょう。そして、与えられた命に感謝して生
きていかねばなりません。私はこの試練をきっと乗り越えてみせま
す。おじいちゃんの言葉を胸に、本当の命の意味を考えながら。

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