あなたの自慢できるところはどこですか。そう聞かれて、すぐに
思いつく人は少ないと思います。反対に、自分のコンプレックスは
すぐに思いつく人が多いのではないでしょうか。しっかりしていな
い、せっかち、がんこ、負けず嫌いなど、コンプレックスは誰もが
持つものです。コンプレックスと言うと、マイナスの印象を持って
しまいますが、それは全て個性と言い換えても良いものだと思いま
す。
私のクラスにもいろいろな人がいます。元気な人、おとなしい人、
テキパキとしている人、マイペースな人…。学級委員をしていた頃、
クラスで、どうしたらもっと良いクラスがつくれるのか、アンケー
トをとったことがあります。そのアンケートを集計していると、い
ろいろな意見がありました。中には、自分が今まで考えたこともな
かった意見までありました。もし、みんなが同じような性格で同じ
ような考え方の持ち主だったら、いろいろな意見は出てこなかった
と思います。いろいろな意見が出たことで、いろいろな視点からク
ラスを見直すことができました。そして、自分の心の幅を広げるき
っかけにもなったと思います。
また、ある時、私の友達が部活で先生に怒られて、落ち込んでい
たことがありました。私はその友達を励まして、何とか元気にして
あげたいと考えました。が、いざ、言葉をかけようとすると、何を
どう言ったら良いのか分からなくなってしまい、しどろもどろの意
味の分からないことを言ってしまいました。しかし、その友達は笑
いながら、「ありがとう。お陰で元気が出た。」と言ってくれまし
た。私は、完璧な百点満点の励ましの言葉は言えませんでした。し
かし、彼女のことを思って、私なりに精一杯心配する様子を見て、
少しでも心を和ませてくれたのかもしれません。その時、私は自分
のこんな不器用でおっちょこちょいな性格、つまり個性も役に立つ
のだなと感じました。
この二つの経験から、ある結論に至りました。それは、どのよう
な個性であっても、その個性は必要だということです。その個性が、
例え自分のコンプレックスだとしても、その個性を求めている人が、
どこかにいるのではないかということです。
しかし、そうだとしても、コンプレックスが自分の個性だなんて、
イヤだという人も多いと思います。また、それをバカにされたり、
けなされたりして傷ついたことがある人もいるのではないでしょう
か。私は、このような嫌な思いをしないためには、二つの方法があ
ると思います。一つは全く気にしないことです。それは、自分の個
性だと認め、人が何か言ったとしても、自分は自分だからと気にし
ないでいたら、いつか、周りの友達も言わなくなるのではないかと
思います。二つ目は、個性の見方や考え方を変えてみることです。
例えば、しっかりしていないということは、失笑をかいながらも、
周りを和ませることができるということ。せっかちということは、
常に一歩先を考えて、みんなをリードすることが出来るということ。
頑固ということは、何を言われても、自分はこうだ…という強い意
志をもっているということ。負けず嫌いということは、何があって
も絶対に負けないという、強い意欲があるということ。少し見方や
表現の仕方を変えただけで、自分にとってマイナスだと思っていた
コンプレックスが、自分の自慢できる個性に変わりました。
私は今、二つの方法を申し上げましたが、どちらかというと、後
者の方をオススメします。何故なら、自分の見方を変えるというこ
と、つまり発想を転換するということは、自分の中で完結できるか
らです。周りの人に何かを求めるのではなく、自分が変わることで
新しい世界が見えてくる可能性があるからです。みなさんも、自分
のコンプレックスの見方や表現の仕方を変えてみて下さい。きっと、
自分の自慢できる個性に変わるはずです。そして、自信をもってそ
の個性をどんどん伸ばし、必要とされた時には、それを発揮してい
きましょう。お互いが、相手の良い所はもちろん、普通はコンプレ
ックスと考えられるような所も認め合って生活していけたら、毎日
がとても心穏やかに楽しく過ごせるのではないでしょうか。十人十
色、自分と、そして周りの友達のカラーを大切にしていきたいと思
っています。
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