本文へスキップ

倉敷東ライオンズクラブは岡山県倉敷市東部地域を中心に活動する奉仕団体です。

TEL. 086-441-3298

〒710-1101 岡山県倉敷市茶屋町601-2

ささいなやりとりで        倉敷市立新田中学校 片山 結梨 さん


「私、アイツのこときらいじゃわ。」
 この言葉から始まる会話。みなさんは実際に経験したことはありま
せんか。きっと、何十回、何百回と繰り返してきた人もいるのではな
いでしょうか。私もその中の一人です。その言葉を重ねる度に、相手
を否定し、傷つけてきたのです。

 かなり前のことですが、明るくて気の合う友達ができました。でも、
彼女は少し格好つけるところがあって、他の人に誤解されてしまう部
分がありました。段々と周りから避けられるようになり、それはエス
カレートしていきました。物を隠されたり、変なあだ名を付けられて
呼ばれたりと、気が付いた時には彼女は孤立していました。そんな彼
女のことを私は離れたところからただ見るだけでした。そして、「や
っぱりアイツ、調子のっとるよなあ?」と聞かれたとき、私は「確か
にそうじゃなあ」という言葉を返してしまいました。短い会話でした
が、私は自分で言ったあとに後悔しました。私は彼女に対して「嫌い」
とか「ウザイ」などの感情は無かったのに、流れに逆らうのが怖くて
言ってしまったのだと思います。その会話は、彼女に聞かれたわけで
もないし、直接傷つけてしまったという訳でもないけれど、何も考え
ずに発言したその言葉で、私は彼女への罪悪感でいっぱいになってし
まいました。陰で彼女のことを悪く言った私は、もうきちんと目を見
て彼女と話すことは出来なくなってしまいました。

 このように、言う側にもなってしまったけれど、私も言われる側に
なったことがあります。それは、言った側には些細な言葉だったかも
しれません。ですが、私は今でもその言葉の一つ一つが生々しく心の
片隅に残っています。だけど、もっとひどいことを言われるのが怖く
て何も言い返すことが出来ませんでした。そこで私は「あのとき、彼
女にはひどいことをしてしまったなあ」と、自分のしたことを恥ずか
しく思いました。

 「きらい」とはっきりと全てぶつけるのはいけないことだけど、
「きらいじゃない」と言い返せず、周りに流され、「きらい」と陰で
ヒソヒソ言ってしまう私は、はっきり言う人よりもたちが悪く、本人
に対してもひどいことをしてしまったんだと思います。私は、周りか
らも変な目で見られたくなくて、いやな立場に立ちたくなかったから、
今回のような行動をとってしまったんだと思います。

 私がこの経験から学んだことは、言葉は時として人を傷つけること
ができる武器になり得るということです。一人が言いだすと、どんど
ん周りに広がっていってしまい、言葉の負の連鎖が止まらなくなりま
す。きっとそれによって傷つく人は一人だけではないと思います。そ
の言葉が、どんなに些細なやりとりでも、一旦考え、心で受け止めて
発言することが大切なんだと思います。言葉のトゲをなくし、人のた
めを思う言葉なら、人を元気づけたり、励ましたりすることが出来る
はずです。みなさんも、言葉を武器とし、傷つけ合うのはやめて、や
さしい言葉で接しませんか。目の前の世界が変わって見えてくるかも
しれません。

バナースペース

倉敷東ライオンズクラブ

〒710-1101
岡山県倉敷市茶屋町601-2

TEL 086-441-3298
FAX 086-441-3299