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倉敷東ライオンズクラブは岡山県倉敷市東部地域を中心に活動する奉仕団体です。

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シュークリームおばあちゃん   岡山県立倉敷天城中学校 横田 理沙 さん


 みなさんは、どんな生き方をしたいですか?良い生き方、人のた
めになる生き方、自分らしい生き方……色々だと思います。しかし、
具体的にと言われると分かりませんよね。良い生き方とは具体的に
どんな生き方なのでしょうか。人のためになる生き方、自分らしい
生き方とは何でしょうか。

 私には自慢のおばあちゃんがいます。私はおばあちゃんにとても
良い生き様を見せてもらいました。

 私のおばあちゃんは、とても穏やかで優しい人でした。かっちゃ
んばあちゃんと呼ばれ、みんなから親しまれていました。そんなお
ばあちゃんの大好物はシュークリーム。わざわざ遠くの卵屋さんま
でお気に入りのシュークリームを買いに行くほどでした。私もよく、
そこに連れて行ってもらいました。そこのシュークリームはすごく
おいしいので、おばあちゃんは、
「みんなにあげたら、喜ぶんよ。」
とニコニコの笑顔で言い、シュークリームを二十個も三十個も買っ
ていました。おばあちゃんは、近所の人や子供たちにシュークリー
ムをおすそ分けしていたのです。みんなに優しいおばあちゃんでし
た。

 しかし、2010年7月11日、おばあちゃんは亡くなりました。前か
ら、あまり体調が良くなかったので、少しは覚悟していましたが、
やはりつらく、悲しく、寂しかったです。棺に入ったおばあちゃん
を見ると、一気に悲しさや寂しさがこみあげて、大粒の涙がボロボ
ロとこぼれ落ちました。

 そして、お通夜。おばあちゃんとの思い出が次々と頭に浮かびま
した。一緒に旅行に行ったこと、一緒にごはんを食べたこと、一緒
にゲームをしたこと……。そして、もう二度と一緒に旅行に行くこ
とも、一緒にごはんを食べることも、一緒にゲームをすることもで
きないんだ、と思いました。絶望的な気持ちになりました。人が死
ぬということは、こんなにもつらいことなのか、と思いました。そ
して、お通夜が終わって、私はおばあちゃんに手紙を書きました。
気持ちを込めて書きました。そして、その手紙をおばあちゃんの眠
る棺に持って行った時、そこにはもう、何枚かの手紙がありました。
私は驚きました。どうしてだろう、と考えた時、私はおばあちゃん
が買っていた二十個、三十個ものシュークリームのことを思い出し
ました。それらの手紙は、近所の子たちが書いてくれたものだった
のです。亡くなったときに、家族でも、親戚でも、友達でもない、
近所の子たちからの手紙がいくつも棺に入っているということはす
ごいことだと思いました。おばあちゃんは良い生き方をしたんだな、
と思いました。また、私もおばあちゃんのように生きたいと思いま
した。みんなに優しく、みんなを大切にして生きたいと。

 そして今、おばあちゃんが亡くなってからもう四年が経とうとし
ています。おばあちゃんが生きていたときは頻繁に集まっていた親
戚とは、年に一度会うか会わないかという感じです。また、おじい
ちゃんの元気もなくなってどこか寂しそうに見えます。私は改めて
おばあちゃんの存在の大きさやありがたみを実感しています。おば
あちゃんは私たち家族にとって、とても大切な存在でした。おばあ
ちゃんが亡くなってから四年が経とうとしている今でも、私たち家
族はおばあちゃんとの思い出話をよくしています。おばあちゃんは、
私たちに本当に素晴らしい生き様を見せてくれました。

 良い生き方とは何か、その考えは人によって違うと思います。ま
た、自分が良い生き方をしているかなんて分からないでしょう。も
しかしたら、それは自分が死んだ後に分かることなのかもしれませ
ん。しかし、自分がどんな生き方をしたいのか、具体的に考えるこ
とはとても大切なことだと思います。私はおばあちゃんが見せてく
れた生き様をしっかりと心に焼き付けて、おばあちゃんのようにみ
んなに優しく、みんなを大切にして生きたいと思います。みなさん
も、どんな生き方をしたいのか具体的に考えてみてはどうでしょう
か。

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