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倉敷東ライオンズクラブは岡山県倉敷市東部地域を中心に活動する奉仕団体です。

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〒710-1101 岡山県倉敷市茶屋町601-2

人はつながり助け合う    倉敷市立東陽中学校 丸本 美咲 さん


 彼女と出会えてよかったと思っています。彼女との触れ合いを通
して、私はどれだけたくさんのことを学んだことでしょう。

 今年の夏休みに、ボランティアで参加した障害者施設。彼女とは
そこで出会いました。そこは、障害のある人たちが、週何回か通っ
てくるタイプの施設。耳が聞こえない人、目が見えない人、知的障
害があって言葉があまり理解できない人、体の一部が麻痺して動か
ない人、さまざまな人たちが、リハビリや治療に通っていました。

 そんな中出会ったのが、車いすに乗った歳が同じくらいの女の子。
生まれつき両足が麻痺しています。はじめは車いすを押すことから。
それからいろいろ手伝っているうちに、だんだんと打ち解けてきて、
彼女の生活についてくわしく聞けるようになりました。

 施設に通って来るだけでなく、彼女もショッピングや散歩に行き
ます。イオンなど大きなショッピングモールでは、介護してくれる
人がいるので、困ることはあまりありません。むしろ、近所のスー
パーに行ったり散歩をしたりするときが大変なのだそうです。

 下にものを落としても自分では拾えない。バリアフリーになって
いない場所での移動は危なくて、車いすでは難しい。トイレには、
どうしても人の助けが必要。私の周りには、そんな障害のある人が
誰ひとりいないので、思いもかけない話ばかりでした。

 助けが必要なとき、助けてくれる人もいれば、見て見ぬふりをす
る人もいる。彼女は言いました。
「困ったとき手をかしてくれない人が多くてつらい。もっと障害者
 のことをわかって、助けてくれる人が増えてくれるといいな。」

 私はとても罪悪感にかられました。自分もまた、手を貸したこと
などなかったからです。街で障害者の人を見かけても、大変だな、
気の毒だなで片付けてしまいます。他人の自分が声をかけても驚く
のではないかと勝手に理由をつけ、自分には関係のないものとして
通り過ぎることがよくあります。私も見て見ぬふりをしていた一人
なのです。

 私はそんな自分のことを、彼女に謝りました。彼女に言っても仕
方のないことだけれど、謝らずにはいられませんでした。すると、
こんな答えが返ってきました。
「知らない人からでも、助けてもらえるのはすごく嬉しいし助かる
 よ。それに、いまこうして悪いことしたなって感じているなら、
 次からは助けてくれるでしょ?」
私はこの言葉に救われました。

 「自分には関係ない」と無視するのをやめよう。障害者の人が困
っているのを見かけたら、勇気を出して声をかけよう。そうしてつ
ながり、触れ合うことで、お互いの理解を深めていこう。彼女との
出会いは、私の考えを大きく変えました。

 やがて夏が過ぎ、ボランティアは終わりました。けれど、彼女と
はいまも連絡をとり合っています。先日、嬉しい手紙が届きました。
つらいリハビリを続けている彼女、その彼女の片足が、一回だけだ
けど「ビクッ」と動いたというのです。主治医の先生からは、これ
から先も動かすことはできないだろうと言われていたのに。それは、
彼女のがんばりの結果だと思います。

 障害のある人たちは、障害がない私たちよりも、よっぽど心が強
い。
「好きでそうなったわけじゃないのに、障害者だからって差別され
 るのはつらい」
そう言いながらも、彼女も、私が施設で出会った人たちも、少しで
も障害を克服するために、そんな姿に学ぶことは多いのです。

 お互いを認め合い、人としてつながり、人として助け合い、共に
幸せに生きていける社会。私も、その実現のために役立てたらと考
えています。

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