私が入学したころ、先生からこういうお話を聞きました。
興除中学校は昔から、床に顔が映るくらい、掃除がしっかりでき
ており「掃除中学校」と呼ばれていたことを。入学したばかりの私
は、この興除中学校にとても誇りを感じました。しかし、最近は、
掃除に対する意識が低くなったのか、掃除をさぼる人が出てきまし
た。
そこで、私は「掃除中」を復活させて、また以前のように「掃除
中」と呼ばれるような立派な中学校にしていきたいと考えています。
そのために、まずは「掃除をしているときにはしゃべらない」と
いうことを、みんなに提案したいと思います。そうすることで、掃
除に対する意識が変わってくると思います。たとえ、掃除のときに
話しかけられても、いっしょになって話すのではなく、口を閉じて
掃除を続ける、もしも話したいことがあったとしても、掃除を終え
てから話すようにしていきたいと思います。だれでも自分で意識し
て行動するとできることだと思います。
その他にもいろいろな方法が考えられますが、中でも、すみずみ
までピカピカにすることをがんばりたいと思います。これを一人一
人が意識していくと、みんなが集中して掃除に取り組むようになる
ので、学校全体がピカピカになって、みんなが気持ちよく過ごせる
と思います。
掃除はその場所をきれいにするだけではなく、きれいになったこ
とで気分もよくなる、そして、きれいになったところで勉強すると
集中もしやすくなるという、いろいろな効果を生むものだと思いま
す。私は、掃除とは全てのことにかかわっていて、とても大切なの
だと改めて感じました。
でも、このようなことを口では言えていても、実行に移さない限
り、意味がありません。一人一人が、「絶対、床に顔が映るくらい
がんばるぞ!」とか、「絶対に掃除中を取り戻すぞ!」というやる
気をもって実行することが必要です。また、みんなで行動すること
も必要です。たった数人でがんばっても、学校全体は絶対きれいに
はならないと思います。みんなでがんばることで、一人一人の力が
より大きなものになります。この「みんなで」ということについて、
私たち一年生は、よく先生にこう言われています。
「中学校は集団生活なんだから、それを意識して行動しないと…。」
この言葉は、今の興除中学校の掃除の様子にすごく当てはまると思
います。先生に言われたこの一言を素直に聞き入れ、実践すること
で、今の掃除の様子もずいぶん変わってくると思います。
一か月ほど前、私たち一年生は、学年を東軍と西軍に分けて、
「どれだけ床をピカピカに磨けるか」という、掃除の対抗戦を行い
ました。そのとき、普段はあまり掃除をしていない人でも、相手チ
ームに負けたくない一心で熱心に床を磨いていました。表情も、普
段とは違い、生き生きしていて、心の底から「がんばるぞ」という
気持ちがすごく伝わってきました。やらされるのでなく、自ら進ん
で取り組む掃除が、こんなに楽しいなんて思いもしませんでした。
結果は、私たち東軍の勝利に終わりました。けれども、勝ち負け以
上に、自ら掃除ができて、やりがいもあったし、気持ちがすごくさ
わやかになったことの方が印象に残りました。この気持ちをまた味
わいたいとも思いました。
その後、ある中学校のビデオを見る機会がありました。福井県に
あるその中学校は、掃除日本一の学校で、「正座、黙想」から掃除
が始まり、掃除中は一言もしゃべらない「無言清掃」を徹底してい
ます。さらに、決められた場所の掃除が終わると、自分で気づいた
場所を自主的に掃除するというすばらしい学校です。こんなに熱心
に掃除に取り組んでいる学校があるとは思いもしませんでした。で
も、感心したと同時に、私たちも常に自らやる気をもてていたら、
その学校と同じくらいのことができるかも知れないと感じたのです。
この二つの経験を通して、特に大切なのは、「みんなでがんばる」
「自ら進んで行動する」という気持ちなのだと思いました。そして、
一人一人が同じ気持ちをもって、それぞれの役割を果たし、みんな
で掃除をすることが大切なのだと思いました。
再び「掃除中学校」と胸を張って言えるよう、お互いに声をかけ
合っていこうと思います。日本一きれいな中学校を私たちの手で、
創りあげたいと思います。
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