より良い世の中にするために　　　　倉敷市立新田中学校　大原拓己さん

　最近は政治汚職などのニュースをよく耳にします。何故、地方を良くする人、大きく言えば、国をも左右する人がその大きな権力を自分のために使うのでしょうか。恐らくまた別の人が同じ様な事をするでしょう。結局、こういった事は世の中からは無くならないのかもしれません。

　では何故人は権力を自分のためだけに使おうとするのでしょう。恐らくその人だって初めは皆のために、その権力を使おうとしたはずです。そして、その目標を掲げ、出世していきます。そうして上に立った時、周りを良くしようと思い辺りを見回します。その時、初めて自分が大きな権力を握っているということに気付くのでしょう。そしてここからが肝心です。この大きな権力を一体誰のために使おうとするでしょうか。世の中のため？それとも自分のため？最初は恐らく、世の中のためにその権力を使います。しかし人間というものは易きに流れてしまうもので、最終的には自分のためにその権力を使ってしまうのでしょう。そういうものなのかもしれません。

　だからといって全ての人が、この例に当てはまるとは言えません。しかし、前述の様な人がいるのもまた事実です。皆さんなら、大きな権力を握った時、それを自分のためではなく、世の中のために使うと言い切れますか。もし、僕がそのような立場にあったとしたら、その権力を世の中のために使うと言い切るのはやはり難しい様に思います。いくら掲げる目標が高くとも、いくら自身の意志が強くとも、すぐそばにある誘惑もまた大きく、それに負けてしまうかもしれません。実質、それが人間というものでしょう。しかし、それでは駄目なのです。力のある人がその権力を世の中のために使う、それが世の中の理想的なサイクルでしょう。しかし、今の現実と理想はとてつもなくかい離しています。では、どうすればいいのでしょうか。

　そこで、僕はある案を考えました。要は、大きな権力を自分のために使うのであれば、その権力を極力小さくすればいいというものです。いずれ手に入るであろう大きな権力を極力小さくすることで、権力というものに酔うことなく、当初の高い志を忘れないでいてもらうということです。また、こうすることで必然的に、少人数での物事の決定は難しくなり、多くの人々から意見を集める事が出来るようになるという事も狙いの一つです。

　要は人の性質を変えるのではなく、世の中の仕組みを変えるのです。人の悪い性質が表れないように。これが出来れば世の中はいいように回っていくでしょう。しかし、ただ他人事のように傍観しているだけでは何も始まりません。今から行動を起こす事が大切なのではないでしょうか。特に、最近では十八歳以上に選挙権が与えられるようになりました。いくら対象年齢が下がったとはいえ、僕達にとってはまだまだ先の事かもしれません。しかし、これを機に少しでも政治に興味を持つ事が大切なのではないでしょうか。街中を走る選挙カー、様々な場所で見かける選挙ポスター、新聞など、政治に触れる機会は様々な場所にあります。きっと「早過ぎる」なんてことはないはずです。

このページの先頭へ

バナースペース