人との会話術　　　　　　　　　岡山県立倉敷天城中学校　庄司真優さん

　みなさんは、雑談力という言葉を聞いたことがありますか？雑談とは、
目的も意味もない話のことですが、実はこの雑談こそ人と上手くコミュニ
ケーションをとるために最も大切なのではないか。私はそう考えています。
人とコミュニケーションをとる、中でも会話をするというのは、とても難
しいことです。いつの間にか話題がなくなり、気まずくなって困った、そ
んな経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。私自身もあま
り親しくない人と会話をする時に、会話の難しさを痛感します。では、相
手とのコミュニケーションを上手くとるためには、何が重要なのでしょう
か。それが雑談なのです。

　ここでみなさんに質問します。今からＡさん、Ｂさん、Ｃさんの会話の
役割を言うので、自分がだれに一番近いか、そしてだれが一番雑談力があ
るかを考えてみてください。Ａさんはいつも楽しい話題を出してくれて基
本的にずっと話しています。Ｂさんは自分の話はあまりせず、周りの人の
話を聞いています。Ｃさんは話ししている人へ質問をしています。考えら
れたでしょうか。Ａさんの楽しい話題作りやＢさんの話を聞くことも雑談
には重要なことですが、私はＣさんの役割、質問に注目しました。その理
由は私のこんな経験にあります。天城中学校に入学して間もない頃、初対
面の人と何を話したらいいのかも分からず、私はとにかく会話が途切れな
いように、いろいろな話題を出したり、相手の話を聞くということをして
いました。ですが、やはり会話は途切れてしまうのです。そんな時、ある
一人の女の子が声をかけてくれました。そしてその女の子は私にたくさん
の質問をしてくれました。その女の子と話をしている時はとても楽しく、
すぐに仲良くなることができました。このような経験から雑談力を上げる
ためには質問上手になる必要があると思ったからです。具体的に質問上手
な人がする質問の共通点を私なりにまとめてみました。

　一つ目は相手の話に興味をもち、相手の話したいことを考えて、そのこ
とを上手に引き出しているということです。二つ目は返ってきた相手の答
えに共感し、相手が話していて心地よい状況をつくっているということで
す。この二つのことを意識した質問をすればどんどん会話が弾み、話が途
切れることはないでしょう。しかし、質問するのが苦手な人もいると思い
ます。私もその中の一人です。そんな人は相槌や表情を豊かにして共感し
ている姿勢を見せるだけでも良いのです。相槌なら、「さ、し、す、せ、
そ」が有効です。

「さ、さすが」
「し、しらなかった」
「す、すごい」
「せ、センスいいね」
「そ、そうなんだ」
など、どれも簡単な言葉なので今日、早速、使ってみてください。きっと、
言われた人は自然とうれしい気持ちになるはずです。

　会話をする。
それは相手の気持ちを考えなければいけないということです。なぜなら、
会話がもたらす影響力はとても大きく、良い方向にも、悪い方向にも行っ
てしまうからです。だからこそ会話とは難しく、楽しいものなのかもしれ
ません。普段の素っ気ない会話も貴重な経験であり、成長するための糧な
のです。

　話すのが苦手な人も失敗を恐れず、どんどん挑戦して、より良い人間関
係を築いていきましょう。

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