この地球の中で　　　　　　　　　早島町立早島中学校　石津希実さん

　「いじめ」みなさんこんな言葉を一度は聞いた事があると思います。「い
じめ」とは、人と人との関わりの中での差別が起きてしまうことです。

　私は、最近ニュース報道で「自殺」という言葉をよく耳にします。なぜ、
この世の中で自ら命を絶ってしまう行いが起きるのでしょうか。私はその
原因として今、問題となっている「差別」が起きているからではないかと
考えます。今、この世の中には、背が高い人、低い人、生まれつき障害を
抱えている人も少なくありません。私の弟は今六歳で生まれつきの障害を
持っています。本来なら、来年小学校に通うのですが、その障害のため町
内の小学校や支援学校にも通うことはできません。同じような障害を抱え
ている子が通っている学校に進学する予定です。その学校は、中学校、高
校とそのまま進学することができます。それに、十二年間ある学校生活の
中で、社会に出ていくために身につけておくべき、農業やコンピューター
の技術などもその十二年間でしっかり教えてもらえます。

　最近、少しずつ障害者が働けるところが増えてきていることをみなさん
は知っていますか。現在では、障害者の就労をサポートするところもあり
ます。そのような障害者をサポートできる場所があるというのは、働くこ
とが困難な障害者が働きやすくなり、とても良いと私は思います。

　しかし、同じ人間の中で一番あってはいけないものは「いじめ」です。
なぜ、いじめが起きてしまうのでしょうか。それは、性格や顔、能力、身
長などが一人一人違うからです。一人一人が違うことで差がでてきてしま
います。でも、私は、一人一人が違うからこそおもしろいのではないかと
考えています。例えば、みんなが同じように頭が良くて、みんな同じよう
な顔立ちで、同じくらいにスポーツができる子だとしましょう。確かに、
人類みな均一になることで差はなくなり、差別やいじめが起こることはな
いと思います。しかし、みんなが同じレベルに立つことで競争心が持てな
くなり、目標や夢を持つことができなくなります。私はそんな世界はちっ
ともおもしろくなく、つまらない世界だと思います。一人一人が精一杯生
きることで、誰かと競い合ったり、自分が決めた目標や夢に向かって努力
していったりと、おもしろい世界がつくれるのだと思います。それでも、
いじめを軽い気持ちでやってしまう人がいる限り、いじめは決して無くな
らないものです。いじめをするのは簡単です。いじめをすることで自分の
存在を肯定でき、自分が存在している意義を示すこともできます。そのよ
うな気持ちを持つことで弱い心の自分を許し、「いじめる」という行いを
してしまうのではないかと私は考えます。それから、最近深刻な問題とな
っているのが、「ネットいじめ」というものです。最近では、ラインなど
のコミュニケーションアプリも増えてきています。本来なら友達と友達と
のコミュニケーションを楽しむアプリなのですが、トークに相手の悪口を
書き込んで相手を傷つけてしまうこともあるそうです。最近、いろいろな
アプリが増えてきて世の中がどんどん便利になっています。私も、世の中
が便利になっていくことはとてもいいことだと思います。しかし、そんな
中で、誤った使い方をし、相手を傷つけてしまうこともあります。

　最後に、私がこれまで話してきたことには決まった共通の問題点があり
ます。それは、どれも、一人の人間から始まっていることです。もし、差
別やいじめをする人がいなければ、この世に差別やいじめは起こらないで
しょう。いじめや差別を起こさないためには、周りにいじめられている人
がいたら、勇気を出して声をかけてみたり、障害をもっている人でも平等
に接してあげたりすることが必要だと思います。

「この地球の中で」

　この世の中に、命を落としていい人は一人もいません。どんなに悪い人
でも大切に思う人が一人はいます。私たち、今生きている人間の中で一番
の課題はみんなが安心して生きることができる世の中をつくることだと私
は思います。

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